辻田歯科医院

ファイバーポスト|FIBER POST

歯が虫歯で、大幅になくなってしまった場合、歯をつないで被せたりして残します。その歯をつなぐ物がポスト言われています。建築素材では、アンカーにあたる物です。
日本では、ポストは20年以上前から、鋳造(鋳物)で作った物の適合が良いので、盛んに使われてきました。
しかし、数年以上前から、歯が折れるのは、これが一つの原因になっているのではないかと言われ始めてきました。
それでは、何故、歯が折れるのでしょうか?
答えは簡単。歯は”しなる”のに、金属は”しならない”。 これを、防ぐ為に、開発されたのが、ファイバーポストです。
素材はグラスファイバー。ちょうど蟻の棒高跳び用の棒みたいな物です。
このファイバーボストですと、歯の象牙質と弾性係数が近似していますので、一緒にしなります。
重要なのは、象牙質とレジンを確実に接着させる方法を使う事です。







より審美的な修復のために

より審美的に、つまりできるだけ天然歯に近い色調を再現する為には、歯の土台を白くする必要があります。金属焼付けセラミックスは被せ物の内側に金属があるため、歯の土台がどのような材料でも透過しません。しかしオールセラミックスは光の透過性に優れていますので光の透過性に優れている為に、歯の土台の色に大きく影響されます。なるべく天然歯に近い白い土台の上に被せる必要があります。

■ ポストの種類

鋳造メタルポストコア
最も古くから使用されている方法。コア部とポスト部が全て金属でできています。金属のためが審美性が損なわれます。使用金属は、銀合金、12%金・銀・パラジュウム合金、14金などです。
噛む力が加わりポストが折れないように、なるべく強度があるものという考えから金属が使用されて来ました。しかしこれを歯根の中に入れると歯根を割る力がポストの先端に加わり、ポストが楔を入れたことと同じ作用を生じ歯を割る力が働きます。ですから特に歯根が細い前歯には注意をしないと歯が割れることが多くなってきます。歯根には「優しくない材質」といえるでしょう。
 s.jpgs_f2.jpg
 鋳造メタルポストコア

オールセラミッククラウンを被せた状態。
光の透過性がよく、ポストの形状が
浮き出ています。

既成メタルポスト併用レジンポストコア
そこで次は、鋳造メタルポストコアよりも強度はないものの、ポストの先端に歯根にダメージを与えるような力がかからないような形状と強度(材質はステンレス)を持ったポストが開発されるようになってきました。但し既成のポストの色は灰色であり審美性を重要視する前歯部にオールセラミックを使用すると、鋳造メタルポストコアほどではありませんが、きれいに歯の色が再現できません。
 s_f3.jpgs_f4.jpg
 既成メタルポストコア併用
レジンポストコア

鋳造メタル程ではありませんが、
ポストの形状がわかります。

ファイバーポスト併用レジンポストコア
ファイバーポストとは、直径14ミクロンのファイバーを束ねたもので白色透明です。そのため鋳造メタルポストや既成ポストの金属色がないので、オールセラミックスの審美性が向上します。またメタルポスト比較して十分な強度がありながら圧倒的に柔軟性があるので、噛む力がファイバーポストに加わっても歯が割れる力は加わりませんので歯根には「優しい材質」といえるでしょう。

 s_f5.jpgs_f6.jpg
 ファイバーポスト併用
レジンポストコア

ポストが白色なため、全くポストの形状がわかりませんし、 オールセラミックスの色調に影響を与えません。

 

 
TrackBack URL : ボットからトラックバックURLを保護しています